簿記×Excel

Excelの消費税計算が1円ずれる理由と、ずれない正しい式

最終確認日:2026年10月

この記事の結論
  • 税込金額から消費税を逆算する式 =ROUNDDOWN(税込*0.1/1.1,0) は、金額によって1円少なくなることがある
  • 原因は、コンピューターが小数(0.1 や 1.1)を正確に表せないこと
  • 対策は、整数だけで計算すること:=ROUNDDOWN(税込*10/110,0)

実際に、どれくらいずれるのか

税込金額1円〜20万円のすべてについて、「税込 × 0.1 ÷ 1.1」を小数のまま計算して切り捨てた結果と、正しい結果を比べてみました。すると、10%と8%を合わせて5,313通りの金額で1円ずれました。

税込金額正しい消費税(10%)小数で計算した結果
165円15円14円
187円17円16円
275円25円24円
330円30円29円

※ この比較は、一般的なプログラムの小数計算で行ったものです。Excel や表計算ソフトによっては、内部で誤差を補正して正しく表示される場合もあります。ただ、補正に頼らない式にしておくのが安全です。

なぜずれるのか

コンピューターは数を2進数で扱うため、0.1 や 1.1 のような小数をぴったり表すことができません。たとえば 165 × 0.1 ÷ 1.1 は、本来ちょうど 15 ですが、コンピューターの中では 14.999999… のようなわずかに小さい値になることがあります。これを ROUNDDOWN(切り捨て)すると、14 になってしまいます。

ずれない式

小数を使わず、整数だけで計算すれば誤差は出ません。

【10%】 =ROUNDDOWN(税込*10/110,0)
【8%】  =ROUNDDOWN(税込*8/108,0)

税率をセルで指定している場合(10% を 0.1 で入力している場合)は、税率を整数に直してから計算します。

=ROUNDDOWN(税込*ROUND(税率*100,0)/(100+ROUND(税率*100,0)),0)

税抜金額は、=税込-消費税 で求めると、合計がぴったり合います。

インボイスの端数処理にも注意

インボイス(適格請求書)では、消費税の端数処理を1枚の請求書につき、税率ごとに1回だけ行うルールになっています。

Excel で請求書を作るときは、税率ごとに税込(または税抜)金額を合計してから、上の式で消費税を1回だけ計算しましょう。

まとめ

参考・出典
  • インボイスの端数処理の解説(弥生、バクラク)
  • 国税庁「適格請求書等保存方式に関するQ&A」で、最新の取り扱いを確認してください。
  • 1円のずれの件数は、運営者が税込1円〜20万円の全金額を計算して確認したものです。

※ この記事は一般的な解説です。個別の税務判断は、税理士または税務署にご確認ください。